長時間座ったままの移動は、脚の静脈に血栓(深部静脈血栓症)ができるリスクを高めます。 ほとんどの方ではリスクは低いものの、いくつかの簡単な対策でさらに減らすことができます。
予約・お問い合わせ何時間も座っているとふくらはぎの筋肉が動かず、ふくらはぎの筋ポンプが止まるため、脚の血流が遅くなります。 膝や股関節が曲がったままになるため、静脈も圧迫されます。血流が遅くなると、血栓ができやすくなります。 これは飛行機に限らず、バス、車、電車で長時間座る場合にも当てはまります。
複数の研究をまとめた分析では、移動する人の血栓リスクは約3倍高く、移動時間が長くなるほどリスクが上がることが分かりました。
移動時間が2時間長くなるごとに、血栓のリスクは約
0%
上昇します。飛行機での移動では、この割合は2時間ごとに26%です。
観察研究のメタ分析です。リスクの上昇は相対的なもので、ほとんどの旅行者では絶対リスクは低いままです。
Chandra D et al. Meta-analysis: travel and risk for venous thromboembolism. Ann Intern Med 2009;151(3):180-190.
doi:10.7326/0003-4819-151-3-200908040-00129
次のいずれかに当てはまり、移動が4時間を超える場合は、出発前に医師にご相談ください。
リスクのある方には、移動時間や状態に応じて、医師がストッキングやその他の対策を勧めることがあります。 血栓予防の注射や薬は、医師の判断がある場合にのみ使用してください。
休憩して、 歩きましょう。
5時間を超えるフライトでのランダム化試験を評価したコクランレビューでは、膝下の着圧ストッキングを着用した人で、 症状のない脚の血栓が明らかに少なく、脚のむくみも軽くなりました。ストッキングのサイズが合っていることが大切です。 きつすぎるものや、ずれて丸まるものは、役立つどころか害になることがあります。
長時間のフライトで症状のない血栓は、ストッキングを着用しなかった人では47人にみられましたが、着用した人ではわずか
0人
にみられました。合計2,637人の乗客が追跡されました。
12件のランダム化試験をまとめたレビューです。これらの試験では、症状のある血栓や肺塞栓症は報告されませんでした。
Clarke MJ et al. Compression stockings for preventing deep vein thrombosis in airline passengers. Cochrane Database Syst Rev 2021;4:CD004002.
doi:10.1002/14651858.CD004002.pub4
ストッキングの選び方と履き方については、静脈瘤用ストッキングの使い方のページをご覧ください。
移動中、またはその後の数日間に次のような症状が出た場合は、時間をおかずに受診してください。
このページは情報提供を目的としています。診断と治療には診察が必要です。